「ランニングを始めよう!」と思ったとき、まず何をしますか? 多くの人は、ネットで「初心者 ランニングシューズ」「40代 おすすめシューズ」などと検索するのではないでしょうか。私も、いまから始めるなら、きっと同じことをすると思います。でも、これから走り始める方に、最初に伝えたいことがあります。「最初から、シューズ選びにこだわりすぎなくても大丈夫」ということです。
もちろん、ランニングシューズは大切です。足に合った靴は、快適に走るためにも、怪我を防ぐためにも重要。ただ、これから走り始める方にとって、それ以上に大切なのは「実際に走り始めること」だと、私は思っています。
調べるほど「何が正解?」となってしまう🔍
いまはネットで簡単にたくさんの情報が手に入ります。とても便利ですが、初心者にとっては、情報が多すぎて逆に迷ってしまうことも。たとえば、こんな具合です。
- 「軽いシューズが速く走れる」
- 「クッション性が高いのがおすすめ」
- 「初心者は厚底がいい」
- 「このメーカーがいい」「値段が高いほうがいい」
調べれば調べるほど、「結局、自分には何がいいの?」となってしまう。そして気づけば、「靴を買ってから走ろう」「もう少し調べてから」「せっかくだから一番いいシューズを」——と、せっかくの「走ってみよう」という気持ちが、シューズ選びで止まってしまう。私は、それが少しもったいないと思っています。
最初は「今持っている、走れる靴」でいい👟
これから始める方におすすめしたいのは、まずいま持っている「走れる靴」で少し走ってみることです。もちろん、明らかに足に合わない靴や、底がすり減った靴、運動に適さない靴はおすすめしません。安全に運動できる状態が前提です。そのうえで、最初から高価なシューズを買う必要はないと思っています。
なぜなら、最初は思っているほど長く走れないし、速くも走れないから。これは悪いことではなく、むしろ普通のことです。「10kmくらい走れるかな?」と外に出たものの、1km、2kmで息が上がる。足が重くなる。「今日はもう無理だ……」となる。私自身が、まさにそうでした。
私が走り始めた頃は、バスケットシューズでした🏀
自分が始めた頃を振り返ると、今考えるとかなり適当でした。短パン、半袖、そして——なんとバスケットシューズで走っていました。もちろん、初心者の方に「バスケットシューズで始めましょう」とすすめているわけではありません。当時は、それくらいこだわりがなかった、ということです。
最初に走れた距離は、わずか2km程度。それが限界でした。今ではフルマラソンやトレイルランを楽しんでいますが、最初から長距離を走れたわけではありません。むしろ「2kmってこんなにきついのか」と思っていたくらい。それでも、走り終わった後には達成感がありました。たった2km。でも「自分は2km走れた」という感覚。その小さな達成感が、次につながっていったのだと思います。
「良いランニングシューズ」って何だろう?🤔
ここで少し考えてみてください。あなたにとって「良いシューズ」とは? 値段が高い靴? 軽い靴? クッション性の高い靴? 有名ブランド? 最新モデル? もちろん、どれにも意味はあります。でも、「高い=自分に合っている」とは限りません。軽くても、クッション性が高くても、有名でも、すべての人に最適とは限らない。大切なのは、「自分にとって走りやすいか」です。
最初は「モノ」より「自分の能力」を知ろう
始めたばかりの頃は、シューズの性能よりも、自分がどのくらい走れるのかを知るほうが大切だと思っています。
- 1km? 2km? 5km? どのくらい走れるのか
- どのくらいのペースなら苦しくないのか
- 走った翌日はどう感じるか
- 足や膝に違和感はないか
こうしたことを、実際に走りながら知っていく。その経験が、自分に合ったランニングスタイルを作っていきます。最初から完璧な答えを見つける必要はありません。走りながら考えていけばいい。私はそう思っています。
カッコいい道具より、自分に合ったスタイルを
走り始めると、だんだん欲しいものが増えてきます。シューズ、ウェア、GPSウォッチ、ポーチ、サングラス、帽子、トレイル用ザック、ヘッドライト、補給食……。これはこれで、ランニングの楽しみのひとつ。私自身も、長く走るようになってから、いろいろ試してきました。
でも、最初から全部揃える必要はありません。むしろ「試行錯誤しながら、自分に合うものを見つけていく」こと自体が楽しい。数年後に「最初はこんな靴で走ってたな」「こんな練習してたな」と笑える。その過程も含めて、ランニングなのだと思います。
トップ選手だって、みんな同じではない
私は「人それぞれ違っていい」ということを大切にしています。トップアスリートでも、全員が同じ体格・フォーム・練習・生活をしているわけではありません。それぞれに特徴があり、考え方があり、スタイルがある。だったら、私たち一般ランナーも同じです。
誰かが「このシューズが最高」と言っても、自分に最高とは限らない。誰かが「毎日走る」と言っても、自分は週3回でいいかもしれない。誰かが「速く走ること」を目標にしても、自分は「健康のため」でいい。自分に合ったランニングを見つければいいのです。
ただし、靴選びを軽視しているわけではありません
ここは誤解してほしくないところです。「シューズなんて何でもいい」と言っているわけではありません。とくに走る距離が伸びたり、継続して走るようになったら、足や走り方に合ったシューズを選ぶことは大切です。合わない靴を履き続ければ、痛みや不調につながることもあります。
だからこそ、最初から完璧な靴を探すのではなく、まず自分の走りを知る。そのうえで「もう少しクッションが欲しい」「もっと軽い靴を」「長距離向けを」「トレイル用が必要になった」と、目的に合わせて選んでいけばいいと思います。
「おすすめのシューズは?」と聞かれたら
もし「これから始めるんだけど、おすすめのシューズは?」と聞かれたら… 「買うならどんな靴を選ぶ?」と聞かれたら… 最初の一足として、いわゆる厚底系は積極的には選ばないと思います。
もちろん、厚底が悪いという意味ではありません。今は種類も豊富で、目的によって優れた靴もたくさんあります。ただ、初心者の最初の一足なら、「流行っているから」「速く走れそうだから」だけで選ぶのではなく、自分の走力・用途・足へのフィット感を考えて選びたい。周りのランナー仲間にも、初心者のファーストチョイスに厚底を積極的にはすすめないという声があります。このあたりは、次回の記事で詳しく紹介します。
一番伝えたいのは「靴」ではなく「一歩」👣
今回いちばん伝えたいのは、「モノから入らなくてもいい」ということ。始める理由は何でもいいと思います。ダイエット、運動不足解消、ストレス発散、健康のため、大会に出てみたい、友達に誘われた——。私の場合は、職場の人に誘われたのがきっかけでした。
最初は2km走るのが精一杯。それでも、走った後の達成感が忘れられなかった。そして少しずつ距離が伸び、気づけば10年以上。フルマラソンを走り、トレイルランにも挑戦するようになりました。最初の2kmからは、想像もできなかった世界です。
ランニングのハードルは、低くていい
これから始める方に、こう伝えたいです。「完璧な準備ができるまで待たなくていい」。まずは外に出てみる。10分歩いてみる。少し走ってみる。1kmだけ走ってみる。疲れたら歩く。無理なら帰る。それで十分です。
そして、走ってみて「もっと走りたい」と思ったら、そこから道具を探せばいい。シューズを調べ、ウェアを買い、練習方法を学び、トレイルにも挑戦すればいい。順番は、それでいいんです。
まとめ:必要なのは「最高の一足」より「最初の一歩」✍️
情報を集めることは大切です。でも、集めすぎて走り出しが遅くなっては本末転倒。最初から「最高のシューズは何か?」を探す必要はありません。まずは「自分はどのくらい走れるのか?」を知ってみてください。体力や走り方、目的が見えてきたら、そのときにシューズやウェアを選んでいけばいい。
私は10年以上続けてきましたが、今でも道具選びや練習方法は試行錯誤の連続です。それも含めて、ランニングは面白い。最初から速くなくていい。長く走れなくていい。カッコよくなくていい。まずは一歩、外に出てみる。その小さな一歩が、10年後のあなたの趣味になっているかもしれません。私が、そうだったように。
最高の一足を探す前に、まずは走り出してみませんか? 次回は、初心者がシューズを買うときにチェックしたいポイントや、なぜ最初の一足に厚底系を積極的に選ばないのかを、もう少し具体的に紹介します。
※本記事は個人の体験に基づく内容です。運動の効果や適した装備には個人差があります。体調に不安のある方や持病のある方は、無理をせず、必要に応じて医師に相談のうえ取り組んでください。
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