前回は、私が10年以上走ってきた中で経験した「シューズと怪我」のお話をしました。

合っていると思っていた靴で故障が続いたこと。厚底で足の甲を痛めたこと。そして、専門店で相談して、アシックスのGTシリーズにたどり着いたこと——。

もちろん、これは私自身の経験です。シューズが怪我の原因だと断定はできません。走り方・練習量・疲労・筋力など、要因はさまざまですから。

それでも、今も強く思うことがあります。「ランニングシューズは、慎重に選んでほしい」ということです。

では実際、初心者はどこを見て選べばいいのか。難しく考えず、私の経験をもとにお話ししますね。

まず確認したいのは「何のために走るのか?」

シューズ選びで最初に考えてほしいのは、「どれが一番人気か?」ではありません。

それよりも、「自分は何のために走るのか?」です。目的が違えば、求めるシューズも変わってきます。

  • 運動不足の解消/ダイエット/ストレス発散/健康のため
  • 5kmを走れるように/ハーフに挑戦/フル完走/大会でタイムを狙う

初心者の段階で「最速の靴は?」「一番反発する靴は?」と考える必要はありません。

まずは「自分が無理なく走り続けられる靴」を探すことから始めてみてください。

① サイズは「いつもと同じ」で考えすぎない

まず大切なのが、サイズです。

「普段26cmだから、ランニングシューズも26cm」と考えがちですよね。でも、メーカーやモデルでサイズ感は違います。同じ26cmでも「幅が狭い」「かかとが緩い」「つま先に余裕がない」など、履いた感覚は変わるんです。

また、ランニングシューズは、普段履きより少し大きめを選ぶ考え方もあります。

実寸が26cmなら、0.5〜1cmほど大きめを試すのも一つの方法です。

私自身も、少し余裕のあるサイズ感を意識しています。つま先に余裕があると、長い距離でも足先が圧迫されにくいからです。逆に小さすぎると、靴ずれ・豆・水ぶくれ・爪のトラブルにつながることがあります。

ただし、「26cmなら必ずサイズアップ」という意味ではありません。足の形・幅・メーカーで、適切なサイズは変わります。

大切なのは、「自分の実寸+少し余裕」を意識して、実際に履いて確かめること。

できれば立った状態で履いて、歩いたり軽く動いたりしながら、こんな点を確認してみてください。

  • つま先が当たらないか
  • 足の指が自由に動かせるか
  • かかとが浮かないか

数字だけで選ばない——これが大切です。

② つま先に余裕があるか

走ると、足は前に動きます。長い距離になると、「最初はちょうどよかったのに、後半はつま先が痛い」ということも起こります。

逆に、大きすぎて靴の中で足が動いてしまうのも問題です。

大きければいい・小さければいい、ではなく、自分に合ったフィット感を探すこと。ここも「◯cmが正解」という答えはないので、ぜひ実際に履いて確認してほしいところです。

③ かかとのフィット感

私が選ぶときに気にするポイントのひとつが、かかとがしっかり収まっているかです。

歩いたり軽く走ったりして、「かかとが浮く」「靴の中で足が動く」という感覚があれば、サイズやモデルを変えてみるのも手です。逆に、締め付けすぎて痛いのもよくありません。

ランニングシューズは、「足を固定する」ことと「締め付けすぎない」ことのバランスが大切だと考えています。

④ 「クッションがあれば安心」とは限らない

最近は、クッション性の高いモデルが多く、厚底はその代表格です。

私も厚底を履いて、「走りやすい」「スピードが出しやすい」と感じたことがあります。でも、クッション性が高い=誰にでも合う、ではありません。

足の形・走り方・筋力・体重・距離で、感じ方は変わります。だから初心者の方に、「とりあえず一番クッション性が高い靴を」とは考えていません。

⑤ 軽い靴だから速く走れるわけではない

「軽量モデル」という言葉にも、つい惹かれますよね。確かに、軽い靴にはメリットがあります。

でも初心者の段階では、「軽い=良い」と単純に考えなくていいと思います。

まずは、安定して走れること。そして、練習を継続できること。そのうえで「もっと速く」「大会でタイムを」となったら、軽量やレース向けを検討すればいいのです。

⑥ グリップ感も意外と大切

自分で選ぶようになって、改めて感じたのがグリップ感の大切さです。

以前、専門店で相談して「原点に戻ってみよう」と考え、出会ったのがアシックスのGTシリーズでした。私の場合、これを履くようになってから、安定して走れる感覚が強くなりました。

もちろん、全員に同じ感覚があるわけではありません。ただ、「クッション」「軽さ」「反発」だけでなく、「自分が走っていて安定するか」という感覚も、ぜひ大切にしてみてください。

⑦ 練習用とレース用は分けてもいい

始めたばかりなら、一足で済ませて問題ありません。

でも走ることが楽しくなると、「普段の練習用」「スピード練習用」「レース用」と、用途で分ける人も増えてきます。私も「この靴は普段のジョギング向き」「この靴は速く走りたいとき」と考えるようになりました。

最初から何足も買う必要はありません。まずは一足。楽しくなってきたら、少しずつ用途に合わせて増やしていけばいいと思います。

「ファッション」という選び方もある👟

ここまで読んで、「シューズ選びって難しいな」と思った方もいるかもしれません。

でも、長く楽しむなら、「ファッション」という視点を持つのも悪くないと思います。ランニングシューズは、今や走るためだけの道具ではありません。普段着に合わせたり、街を歩いたり、旅行に履いていったり。私も、普段履きやファッション目的で使うことがあります。

たとえば、私が普段使いに持っているのがHOKAのランニングシューズです。個人的には、デザインもよく、普段の服にも合わせやすいと感じています。

「今日は飲み会だけど、帰りに少し走って帰ろうかな」というときにも重宝します。行きは普段履き、帰りに軽くジョギング——こういう使い方ができるのも、ランニングシューズの面白いところです。

もちろん、HOKAだから誰にでも合う、という意味ではありません。

HOKAを選ぶときも、「見た目だけ」で決めないでください。同じメーカーでもモデルで履き心地は違いますし、足幅やサイズ感、かかとのフィット感も人それぞれです。

「実際に履いて、自分の足に合うか」を確認すること。とくに「この靴で毎日走ろう」「フルを走ろう」と考えるなら、より慎重に選んでほしいです。

大切なのは「高い靴」ではなく「自分に合う靴」

いろいろ紹介しましたが、伝えたいことはシンプルです。

高い靴だから、有名だから、厚底だから、ランキング1位だから——必ずしも、あなたに合うとは限りません。

大切なのは、自分の足に・走り方に・目的に合っているか。そして「これを履いて走りたい」と思えるか。これも、実は大切なことだと思います。

+α:靴下の話🧦

最後に、意外と見落としがちな靴下の話を。

おすすめは「5本指ソックス」で、できれば滑り止め付きだと、なお良いです。

科学的にはメリット・デメリットいろいろ言われますが、私個人の感覚では、5本指にすると水ぶくれなどのリスクがかなり減る気がします。疲労感も、違う気がするんですよね。

そして、靴下は安いもので十分です。量販店で売っている手頃なもので大丈夫。消耗品なので、ブランドにこだわらず、経済的で自分に合うものを選ぶのがおすすめですよ。

まとめ:シューズ選びも、ランニングの楽しみ✍️

クッション、軽さ、反発、グリップ、サイズ、足幅、デザイン、価格、普段使い、レース——考えるほど、迷ってしまいますよね。

だからこそ、最初から完璧な答えを探さなくていいんです。

  • まず「何のために走るのか」を考える
  • 実際に履いてみる/歩いてみる
  • できれば専門店で相談する

そうやって、自分に合う一足を少しずつ探していけばいいと思います。

長く続けるようになったら、「普段着にも使えるシューズ」という視点も面白いです。私もHOKAを普段履きにして、飲み会帰りに軽く走ることがあります。

ただし、普段履きで気に入った靴を、そのまま本格的なランやレースに使えるとは限りません。サイズ感・フィット感・用途を確認してから選んでくださいね。

10年以上走ってきて思うのは、「自分に合う靴を見つけることも、ランニング人生の一部」だということ。

最初は、何もわからなくて大丈夫です。走って、失敗して、時に怪我もして、考えて、また靴を選ぶ。そうやって少しずつ、「自分にはこの靴が合うな」という感覚がわかってきます。

最高の一足は、誰かが決めてくれるものではありません。自分の足で走りながら、探していくもの。それも、ランニングの楽しみなのかもしれません。

さあ、あなたはどんな一足から始めますか?🏃‍♂️

※本記事は個人の体験・感想に基づく内容です。効果や適した装備には個人差があります。痛みや不調がある場合は無理をせず、整形外科など専門家への相談もご検討ください。

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