
前回は「最高の一足を探す前に、まずは走り出してみませんか?」というお話をしました。最初から完璧な靴を探す必要はなく、まず走ってみて、自分の走力やスタイルを知ってから道具にこだわればいい——という内容です。ただ、ひとつだけ伝えておきたいことがあります。シューズ選びは、慎重にしてほしい。10年以上走ってきて、強くそう感じています。一番大きな理由は「怪我」です。
怪我をすると「走りたいのに走れない」
走り続けていると、誰でも一度は「今日は足が重い」「少し違和感がある」と感じることがあると思います。私自身、これまで何度も怪我を経験してきました。そして怪我をして初めてわかることがあります。「走れることって、当たり前じゃないんだな」ということです。
走りたい。練習したい。大会にも出たい。でも、痛くて走れない。これは想像以上につらいものです。だからこそ初心者の方には、速く走ることよりも「長く走り続けられること」を大切にしてほしいと思っています。
「合っている」と思い込んでいた靴があった
以前、私はあるメーカー(ニューバランス)のシューズを履いていました。履き心地もよく、足入れの感覚も悪くない。「これは自分に合っている」と、疑うことなく履き続けていました。ところが距離を重ねるにつれ、故障が増えていったんです。あるときは膝に強い痛みが出て、曲げるのも難しいほどに。診断は「腸脛靭帯炎」でした。
腸脛靭帯炎は、普段歩いているぶんには痛みを感じにくいことがあります。でも長い距離を走ると、途中から膝の外側が痛くなる。私も「普段は平気なのに、走ると痛い」という状態でした。もちろん、原因が靴だけとは断言できません。走り方、練習量、疲労、体の状態——いろんな要因があったはずです。ただ、「履き心地がいい=自分に合っている」とは限らない。これは大きな学びでした。
調べるほど、わからなくなった🔍
怪我が続くと「何が原因なんだろう?」と考えるようになります。そしてネットで、初心者向け・クッション性・軽量・厚底・メーカー別おすすめ……と、いろいろ調べました。最初は勉強になるのですが、あるところから「結局、自分には何が合うんだ?」となってしまった。情報が多すぎるんです。これは初心者の方にも、起こりやすいことだと思います。
次に選んだのは「厚底」だった
その後に選んだのが、ナイキの厚底シリーズ(当時人気だったヴェイパーフライ)でした。履いてみると、クッション性がよく、スピードも出しやすい。「これはすごい靴だな」と感じました。実際、厚底には素晴らしいところがたくさんあります。クッション性、反発性、スピード、レースで力を発揮しやすい設計。今では多くのランナーが使っています。だから「厚底はダメ」と言いたいわけではありません。目的に合えば、とても優れた靴だと思います。
ただ、私の場合は違いました。レースで走ったとき、足の甲に痛みが出てしまったんです。完治まで、約2か月以上。またしても「走りたいのに走れない」時間を過ごすことになりました。
「速く走れる靴」と「毎日走りやすい靴」は違う
この経験で、シューズへの考え方が変わりました。ランニングシューズには、それぞれ得意なことがあります。速く走るための靴、長距離用、トレーニング用、レース用、初心者が走りやすい靴、トレイル用——全部が同じではありません。だからこそ、「人気だから買う」ではなく、「自分は何のために走るのか?」を考えることが大切だと思います。
「健康のために週2回走りたい」人と、「フルマラソンで自己ベストを狙いたい」人では、求める靴も変わります。「普段のジョギング用」と「大会用」を分ける考え方もあります。一足ですべてを解決しようとしなくてもいいんです。
はじめて専門店に相談した🏬
悩んだ末に「一度、お店でちゃんと相談してみよう」と思い、ランニングシューズを扱うお店で店員さんとじっくり話しました。その方は元ランナー。走ってきた経験があるので、こちらの話もよく理解してくれました。特に印象に残ったのが、「最初から軽量シューズや厚底を積極的に選ばなくてもいい」という考え方でした。
もちろん、合う靴は人それぞれ。厚底が合う人も、軽量が合う人もいます。これはあくまで私の場合の話です。ただ私自身は、一度原点に戻って「自分が安定して走れる靴を探そう」と考えるようになりました。
そして出会ったのが、アシックスのGTシリーズ
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そこで選んだのが、アシックスのGTシリーズでした。自分の足にはアシックスが合っている——それに気づいたのは、走り始めて4年目くらい。それまでは「人気だから」「履き心地がいいから」「速く走れそうだから」で選んでいました。でも本当に大切だったのは、「自分が無理なく走り続けられるか」という視点だったんです。
GTシリーズを履き始めてから、私の場合は怪我が明らかに減りました。そして、やりたい練習を継続できるようになった。これは、私にとって大きな変化でした。個人的には足が疲れにくく、走り終わった後の違和感も少ないと感じています。もちろん、これは私の感想。すべての人に同じ結果が出るわけではありませんし、シューズだけで怪我を防げるわけでもありません。練習量・走り方・筋力・疲労・体調など、要素はいろいろあります。それでも「自分に合った靴を選ぶ」ことは、長く続けるうえで本当に大切だと実感しました。
結局、一番大切なのは「自分に合うかどうか」
シューズを探していると、「◯万円!」「最速!」「最新モデル!」「超軽量!」と、魅力的な言葉がたくさん出てきます。そうした靴を選ぶ楽しさも、ランニングの魅力。私も今ではいろいろな靴を見るのが好きです。ただ初心者の方には、「人気の靴=自分に合う靴」ではないということだけは覚えておいてほしいです。
値段が高いから、軽いから、厚底だから、有名メーカーだから——必ずしも良いとは限りません。大切なのは、自分の足・走り方・目的に合っていること。そして「履いていて、無理なく走り続けられる」こと。私は、これが何より重要だと思っています。
長く走るなら「足を大切にする」🦵
マラソンは、1日だけのスポーツではありません。日々の練習があって、1kmが3kmになり、5km、10km、ハーフ、やがてフルへと伸びていきます。だからこそ「速く走る」だけでなく、「長く走り続ける」ことも大切。10年以上続けてきて、「走れる身体を維持すること」そのものが、マラソンを楽しむ大切な要素だと感じるようになりました。シューズも、そのための大切な道具のひとつです。
ただし、シューズには寿命があります
ここで注意点を。「合う靴を見つけたから、何年でも同じ靴を」というわけではありません。ランニングシューズには耐久性があり、見た目はきれいでも、クッションやソールが消耗していることがあります。走る距離や頻度で交換時期も変わります。「自分に合う靴を見つける」ことと、「消耗した靴を使い続けない」こと——この両方が大切です。(私の場合、GTシリーズは比較的長く使えて経済的にも助かっていますが、これも個人の感想です。)
「レース用」と「練習用」を分けるのも一つ
私は、スピード練習にはそれに適した靴を、普段のランには無理なく走り続けられる靴を——という分け方をしています。すべての人におすすめする方法ではありません。でも初心者の方なら、まずは「気持ちよく走れる」「無理なく走れる」「また履きたくなる」そんな一足を探してみるのもいいのではないでしょうか。
最高の一足は「ランキング」だけでは見つからない
始めたばかりの頃は、つい「一番おすすめの靴はどれ?」と考えてしまいます。でも今の私なら、こう答えます。「一番おすすめの靴は、人によって違います」と。私に合った靴が、あなたに合うとは限らない。逆に、私に合わなかった靴が、あなたには最高の一足になるかもしれません。だからこそ、実際に履いてみる。歩いてみる。できれば専門店で相談してみる。その過程も、ランニングの楽しみのひとつです。
まとめ:走り続けられる一足を探そう✍️
前回は「まずは走り出してみよう」、そして今回は「走り始めたら、シューズ選びは慎重に」というお話でした。私自身、ある靴で怪我をし、厚底で足の甲を痛め、最終的に専門店で相談してアシックスのGTシリーズにたどり着きました。これはあくまで私の経験です。「あのメーカーが悪い」「この靴が全員におすすめ」という話ではありません。
大切なのは、自分に合う靴を探すこと。そして、足を大切にしながら長く走り続けること。昨日より少し長く走れた。前より楽に走れた。怪我をせず練習を続けられた——そんな小さな変化も、ランニングの大きな楽しみです。その楽しみを長く続けるためにも、シューズ選びは大切なんです。
もし今「どんな靴を買えばいいんだろう?」と悩んでいるなら、焦ってランキング上位を買う必要はありません。ぜひお店へ行って、いろいろな靴を手に取り、できれば履いてみてください。あなたにとっての「最高の一足」は、ランキング1位の靴ではなく、あなた自身が「これなら走り続けられる」と思える靴なのかもしれません。
、今日も無理なく楽しく走りましょう🏃♂️
※本記事は個人の体験に基づく感想です。効果や適した装備には個人差があります。痛みや不調がある場合は無理をせず、整形外科など専門家への相談も検討してください。
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